職業訓練の受講で手当が出る!ハローワークで受講指示の手続き!

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職業訓練

皆さん、こんにちは。
長野県で田舎暮らしをしている「なおじ」と申します。

私は以前、雇用保険を受給していたことがあり、なんと半年間で約100万円を受け取ることができました。
結構すごいでしょ(笑)。

そんな100万円受給した男「なおじ」が、雇用保険について解説している本シリーズ。
第12回目となる今回は、受講すると雇用保険で様々なメリットがある「職業訓練」について解説したいと思います。

職業訓練とは?

職業訓練

「職業訓練」とは、就職に必要な技術や知識を求職者に習得してもらうために、国が実施している訓練制度のことです。
テキスト代を除いて基本的に無料で受講することができ、就職に必要な資格などを取得することができます。

職業訓練には次のようなコース(授業)が用意されています。

・WEBデザイナー
・グラフィックデザイナー
・建築CADデザイン
・電気工事
・介護福祉
・医療事務
etc・・・

訓練期間はコースによっても違いますが、概ね3~6ヶ月間のコースが一般的です。

訓練が始まると、毎週月曜~金曜の9時~16時まで、みっちり授業を受けることになります。

職業訓練を受講するには?

職業訓練を受講するには、あなたの住所がある地域のハローワークで申し込みを行います。

ただし、職業訓練の各コースには定員が決められていて、希望者全員が訓練を受けられるわけではありません。
訓練を受講するには、「入所選考」に合格する必要があります。

この「入所選考」の内容は、筆記試験(国語と数学の2科目)と面接になります。
「WEBデザイナー」などの人気のコースは、試験の倍率も高くなる傾向にあります。

ハローワークで受講指示の手続き!

受講指示の手続き

入所選考に見事合格し、職業訓練に通うことが決まったら、ハローワークで「受講指示」の手続きを行いましょう。

雇用保険の受給者が職業訓練の受講すると、「受講手当の支給」「基本手当の延長」など、様々な優遇措置が受けられます。

ただし、これらの優遇措置を受けるためには、ハローワークから「受講指示」を受けて訓練を受講する必要があります。

受講指示の手続きで必要なものは次の4つ。

・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
・受講届
・印鑑

「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」は、雇用保険説明会で渡されます。
「受講届」は職業訓練校の入校式で渡されます。

手続きを行ったハローワークによっては、入校式前に受講指示の手続きを行うことがあるので、その場合は「受講届」の代わりに「合格通知」が必要になります。

受講指示に必要な日数

ハローワークから「受講指示」を受けるためには、職業訓練の開講日の時点で、一定の「支給残日数」が必要になります。

必要になる「支給残日数」は、受給者ごとの「所定給付日数」によって異なります。
また、「給付制限」の有り無しによっても異なります。

それぞれのケースごとに、詳しく見ていきましょう。

【給付制限が有る場合】

受講指示の残日数

【給付制限が無い場合】

受講指示の残日数

職業訓練の開講日(授業初日)の時点で、この支給残日数が足りないと、「受講指示」を受けることができないので気を付けて下さい。

職業訓練の受講で各種手当がもらえる!

受講手当

ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練を受講している場合、受講者には通常の「基本手当」に加えて、さらに「受講手当」などの各種手当が支給されます。

職業訓練の受講指示で受給できる手当には、次の3つがあります。

2万円の受講手当がもらえる!

ハローワークから「受講指示」を受けている職業訓練の受講者には、「基本手当」とは別に、さらに「受講手当」という給付金が支給されます。

この「受講手当」は、1日につき500円の給付金が、最大40日間支給されます。
500円×40日=20,000で、合計2万円の給付金を受け取ることができるわけです。

職業訓練は基本的に無料で受講することができますが、テキスト代のみ自己負担となっています。
このテキスト代は、受講するコースによって違いますが、大体3,000~12,000円程度になります。

つまり、2万円の「受講手当」を受け取ることができれば、テキスト代は実質無料と考えることができるわけです。

訓練所までの交通費がもらえる!

「受講指示」を受けた職業訓練の受講者には、訓練所に通うための「交通費」が支給されます。
この受講者に支給される交通費のことを、「通所手当」といいます。

この「通所手当」は、ハローワークから「受講指示」を受けていて、なおかつ受講者の自宅が職業訓練所から2km以上離れている場合に支給されます。

通所手当の計算方法は、公共交通機関を利用する場合と、車やバイクなどで通う場合とで異なります。

公共の交通機関を利用する場合は、自宅から職業訓練所までのルートの内、最も安いルートで計算された額が支給されます。
支給の上限は42,500円/月で、ルートや交通費はハローワークが判断します。

自動車やバイクなどで通う場合、自宅から職業訓練所までの片道の距離に応じて、次のように手当が支給されます。

・片道10km未満・・・3,690円/月額
・片道10km以上・・・5,850円/月額
・片道15km以上・・・8,010円/月額(※特定の地域に限る)

寄宿手当

職業訓練を受講する為に、家族と離れて暮らす必要がある場合、「寄宿手当」が支給されます。
この「寄宿手当」の支給額は、月額10,700円になります。

職業訓練の受講で得られるメリット!

受講指示のメリット

ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練を受講すると、各種手当の支給以外にも様々なメリットがあります。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

基本手当の支給が延長される!

雇用保険の基本手当には、受け取ることのできる日数「所定給付日数」が、受給者ごとに定められています。
この所定給付日数分の給付を受け取りきったら、基本手当の支給は終了になります。

しかし、ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練を受講していた場合、所定給付日数分の給付を受け取りきった後も、訓練修了日まで支給が延長されます。

この基本手当の支給が延長される優遇措置は、ハローワークから「受講指示」を受けている場合のみ適用されます。
「受講指示」を受けていなかったり、残日数が足りず「受講推薦」になってしまった場合には、適用されないので注意して下さい。

求職活動実績と認定日が免除される!

基本手当の受給者は、28日に一度の「認定日」にハローワークに行き、2回分の「求職活動実績」を申告する必要があります。
しかし、「受講指示」を受けて職業訓練に通っている場合は、この求職活動実績作りが不要になります。

職業訓練の受講中は、訓練自体が求職活動として認められるわけです。

また、「受講指示」を受けて職業訓練を受講している場合、認定日のハローワーク来所も免除になります。

ハローワークでは訓練受講者の出席状況を把握しているので、わざわざ認定日に報告する必要は無いということですね。

給付制限を解除できる!

退職理由が自己都合や契約満了・定年退職の場合、3ヶ月間の「給付制限」が設けられています。
この給付制限期間中は基本手当が支給されず、3ヶ月待ってようやく支給が始まることになります。

しかし、ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練を受講する場合、この「給付制限」を解除することができます。

この受講指示による給付制限の解除は、職業訓練の「開講日」から適用されます。
つまり、給付制限期間中であっても、職業訓練の授業初日から基本手当が発生する、というわけです。

ただし、職業訓練の受講で給付制限を解除するためには、退職前から計画的に行動する必要があります。
職業訓練の受講申し込み、入所選考&面接、雇用保険の受給手続き、その他退職に関わる諸々の手続き等々、やること一気に増えるので、綿密なスケジュールを組んで動くようにしましょう。

おわりに

というわけで今回は「職業訓練」について解説させていただきました。

職業訓練は、就職に必要な技術や知識を無料で学ぶことができる非常にお得な制度です。
さらに「受講指示」を受けていれば、受講手当や交通費を受け取ることができ、雇用保険の面でも様々な優遇措置が受けられます。

皆さんもぜひ活用してみて下さい。