田舎はユニクロよりしまむらの方が多い理由 ドミナント戦略とは
田舎で暮らしていると、「ファッションセンターしまむら」の多さに驚かされます。
ユニクロよりもしまむらの方が圧倒的に多いんです。
私が車でいける範囲で調べてみると、ユニクロは4店あるのに対し、しまむらは8店もありました。
しかし、なぜ田舎にはこんなにもしまむらが多いのでしょうか?
その理由は「ドミナント戦略」という、しまむら独自の出店戦略にありました。
ドミナント戦略とは
ドミナント戦略とは、地域を絞って集中的に出店し、地域内の市場を独占する経営戦略のことです。
「ファッションセンターしまむら」は、郊外や地方都市などに狙いを絞って、集中的に自社店舗を展開しています。
特定の地域内に高密度で店舗を展開することで、その地域における市場占有率を高めているのです。
田舎にしまむらが多かったのは、このドミナント戦略によるものだったんですね。
ちょっと田舎の地域を狙ってわざと大量出店していたのですから、そりゃあよく見かけるわけです。
しまむらの方針としては、12,000世帯程度の小商圏に対し1店舗を基準としているようです。
これ位の小規模な商圏であっても、その商圏の購買力の25%を占有することができれば、年間で約3.3億円ほどの売上が見込めるそうです。
ユニクロよりしまむらの方が店舗数が多い
そしてもう一つ重要なのが、しまむらの国内の店舗数がそもそも多いという点です。
実はしまむらの方がユニクロより、圧倒的に店舗数が多いのです。
現在の国内の店舗数は、ユニクロが832店舗なのに対し、しまむらは1,430店舗と大きく差を付けています。
これなら確かに、ユニクロよりもしまむらを見かけることが多くても、何もおかしくありません。
でも、売り上げ的にはユニクロが業界NO.1でしまむらがNo.2なのに、店舗数では逆転されてるのはちょっと意外ですね。
しまむらは郊外を中心に出店しているので、1店舗あたりの土地の取得費用などが安く済むのも、多くの店舗を展開できる要因になっているようです。
田舎でも利益は出るの?
しまむらの売り上げは、国内の衣料品業界でユニクロに次ぐNo.2を誇ります。
こんなに田舎にばかり出店しているのに、どうしてそこまで売り上げが高いのでしょうか?
その理由には、しまむら独自のビジネスモデルや徹底したコスト削減策が挙げられます。
安く仕入れる
しまむらは、ユニクロやGUのように自社で製造から販売までを手がけるスタイルではなく、外部メーカーから商品を仕入れて販売する独自のスタイルで経営しています。
このようなビジネスモデルの場合、通常は薄利多売の低収益経営に陥るものですが、しまむらはまとまった量の商品を本部が一括して返品なしで仕入れるため、仕入れ価格を低く抑えることができます。
仕入れ価格を安くすることで、充分な利益を確保することができるわけですね。
ただ、最近ではあったかインナーの「ファイバーヒート」のように、自社で製品開発を行うことも増えてきているようです。
多品種少量販売
しまむらは500社以上の外部メーカーと取引することで、1店舗あたり4~5万点という非常に豊富な品揃えを実現しています。
さらに、「同じアイテムは1店舗あたり1サイズにつき1~2点まで」という少量販売を徹底しています。
アイテム数を絞って短期間で売り切ることにより、商品の回転を早め、トレンドの移り変わりに対応しているわけです。
商品の回転が早ければ、常に新しい商品が店頭に並ぶことになるので、売り場の鮮度を保つこともできます。
商品が売れ残るリスクを減らしつつ、お客さんには「行くたびに新商品が並んでいる」というイメージを持ってもらうことができるのも大きなメリットです。
また、一度売れた商品は基本的に再び店頭に並ぶことはないので、同じ商圏でファッションがかぶるということが少なく、「1点ものを自分で探し出す」という、宝探しのような新たな楽しみも生まれます。
全身をしまむら商品でコーディネートした「しまラー」や、自身のしまむらコーデをツイッターやインスタグラムに投稿する「#しまパト」など、新たなブームも生まれました。
独自の物流システム
しまむらはアパレルとしては珍しく、自社で物流システムを持っています。
アパレル業種は通常、外部の配送業者に物流を委託するのが一般的ですが、しまむらは自社内に物流システムをもっているため、物流コストを大きく削減することができます。
また、特定の地域に集中的に店舗を展開しているため、店舗間の商品移動も効率的に行うことができます。
まとめ
ちょっとここ最近は、しまむらの業績も低迷してきているみたいですね。
もし業績が上向かず「不採算店舗の閉鎖」なんてことになってしまったら、近くにしまむらがなくなってしまうかもしれません。
しまむらは田舎暮らしをする上で、欠かすことのできない存在です。
何とか頑張ってほしいものですね。
というわけで今回は、「ファッションセンターしまむら」が田舎に多い理由について、解説させて頂きました。
それではまた~♪
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