もち米とうるち米の違い 栄養やカロリー、調理方法や値段の差は?
今回は、私たちが普段食べている「普通のお米」と、「もち米」の違いについて解説したいと思います。
うるち米ともち米とは?
私たちが普段食べている普通のお米は、正式には「うるち米」といい、漢字では「粳米(うるちまい)」と書きます。
この「粳(うるち)」という言葉は、「アミロース」というデンプンを含む穀物を指す言葉です。
一方、お餅や赤飯などに使われる「もち米」は、漢字では「糯米(もちごめ)」と、ちょっと難しい書き方をします。
この「糯(もち)」という言葉は、「アミロース」を全く、あるいはほとんど含まない穀物を指す言葉です。
アミロースとアミロペクチンとは?
お米に含まれるデンプンには、「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があります。
うるち米にはアミロースとアミノペクチンの、両方のデンプンが含まれていますが、
もち米のデンプンはアミノペクチンのみで、アミロースは含まれていません。
もち米・・・・アミロース0%、アミロペクチン100%
うるち米ともち米の違い
さて、うるち米ともち米は、含まれているデンプンによって分けられていることはわかりました。
では、その含まれるデンプンの違いによって、うるち米ともち米にはどのような差が生まれるのでしょうか。
具体的な違いについて、詳しく見ていきましょう。
炊いたときの粘りの違い
うるち米ともち米の一番の違いは、炊いたときの「粘り」です。
お餅がよく伸びることからもわかるように、もち米には非常に強い粘り気があります。
うるち米にもある程度の粘り気はありますが、もち米ほどではありません。
もち米の粘りの強さの理由は、「アミロース」と「アミロペクチン」のデンプン構造の違いにあります。
アミロースはブドウ糖分子が一直線に繋がっているため、1本のひものような構造をしています。
このためデンプン同士がそこまで複雑に絡まることはありません。
それに対してアミロペクチンは、細かく枝分かれしたような構造をしています。
この枝分かれした構造によりデンプン同士が絡まり合うため、強い粘り気を生み出します。
もち米は、含まれているデンプンの100%がアミノペクチンなので、アミロースを20%含んでいるうるち米より粘りが強いわけです。
ちなみに外国のお米で、炊いてもパッサパサの物って食べたことありませんか?
あれは粘りの元である「アミロペクチン」が少ない品種というわけですね。
お米の色の違い
うるち米ともち米では、お米の見た目も違います。
うるち米は透明感があって米の中が透けて見えるのに対し、もち米は乳白色で不透明です。
なぜ、もち米がうるち米よりも白いのかというと、やはりこれも前述の「アミノペクチン」に理由があります。
お米が乾燥すると、アミロペクチンの隙間に空気が入り込んで光を散乱させます。
この光の反射により、アミロペクチンの含有量が多いもち米は、うるち米よりも白く見えるわけです。
栄養とカロリーの違い
炊飯したうるち米ともち米の、100gあたりの栄養とカロリーは次のようになります。
100gあたりの炭水化物量は、うるち米よりもち米の方が高いですね。
それに伴ってカロリーも、もち米の方が高くなっています。
ビタミンやミネラルなどの栄養素は、どちらもほとんど含まれていないため、大きな違いはありません。
値段の違い
一般的にうるち米よりも、もち米の方が値段が高くなります。
これはもち米の生産量が、うるち米に比べ圧倒的に少ないためです。
うるち米ともち米では、消費量が全く違います。
毎日消費されるうるち米と違って、もち米は消費されるタイミングが限られています。
このため、もち米を生産している農家は、うるち米ほど多くありません。
その結果、市場への供給量が少ないもち米の方が希少価値が高く、値段が高くなっています。
確かにもち米って、お正月のお餅やお祝いの席でのお赤飯・おこわなど、晴れの日に出されるイメージが強いですよね。
調理方法の違い
うるち米は「炊く」のが一般的ですが、もち米を調理するときは「蒸す」のが一般的です。
もち米は水分の吸収力が強いため、うるち米と同じように炊いてしまうと、やわらかくなりすぎてしまいます。
やわらかくなりすぎないよう水を減らすと、今度は米粒が水面から出てしまい、均等に給水できません。
このため、もち米を調理するときは「蒸す」ことが多いのです。
まとめ
というわけで今回は、「うるち米」と「もち米」の違いについて解説させて頂きました。
炊いたときの粘りや米の色、カロリーや値段、調理方法など、普通のお米ともち米では様々な違いがあります。
今度もち米を使うときは、意識してみて下さい。
それではまた~♪
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