寒の戻り・花冷え・余寒の意味と使い方を調べたら意外と難しかった

気象・気候, 自然

寒の戻り

暦の上では春ですが、私の住んでいる長野県北部の地域では、まだまだ寒い日が続いています。
もう4月に入ったというのに、なぜか3日連続で雪が降っています(笑)

3月中は暖かい日もあったので、ふと、こういうのを「寒の戻り」というのかな、と思ったのですが、こういう言葉は使い方を間違えると恥ずかしいものです。
気になって調べてみると、どうやら他にも「花冷え」「余寒」といった言葉があるらしい・・・。

というわけで今回は、「寒の戻り」「花冷え」「余寒」という言葉について、解説したいと思います。

寒の戻りの意味

寒の戻り

「寒の戻り(かんのもどり)」とは、「立春」以降に寒さがぶり返すことを指す言葉です。

春になって気温が上昇する時期に、低気圧の通過によって冬型の気圧配置になり、一時的に冷え込むときなどに使います。

立春とは

立春(りっしゅん)は、冬至と春分のちょうど中間で、毎年2月4日ごろになります。
「春が立つ」と書くように、暦の上ではこの日から春が始まるとされています。

ちなみに立春の前日が「節分」になります。
まさに「冬(冬至)と春(立春)を分ける節目の日」というわけですね。

寒の戻りの使い方

どうやら4月に雪が降ったときに、「寒の戻り」と表現したのは間違いではないようです。

ただし、この「寒の戻り」を時候の挨拶として使う場合は、注意が必要です。
手紙やスピーチの時候の挨拶として使う場合、「寒の戻り」は主に2月4日~2月末にかけて使用します。
3月や4月に使用すると、時期はずれな挨拶になってしまうので気を付けて下さい。

寒の戻りの例文

「寒の戻り」を時候の挨拶に使う場合は、次のような使い方をします。

【時候の挨拶】

「寒の戻りの激しい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか」

「寒の戻りで寒さの厳しい頃ですが、お変わりありませんでしょうか」

【結びの言葉】

「寒の戻りもある折柄、風邪など召されませんようご自愛ください」

花冷えの意味

花冷え

「花冷え(はなびえ)」は、桜が咲くころに寒さが戻ること、またはその寒さを指す言葉です。
つまり、「寒の戻り」と、意味はほぼ一緒ということですね。

ただし、こちらは桜を意味する「花」の文字が使われているので、4月に使うには「寒の戻り」よりも、「花冷え」の方がより適切といえるでしょう。

リラ冷えとは

リラ冷えライラック

北海道では「リラ冷え(りらびえ)」という表現が使われることもあります。
「リラ」というのは、フランス語で「ライラック」ことを意味します。

春の訪れが遅い北海道では、ライラックの花が咲く5月から6月にかけて、寒さがぶり返すことがあります。
このため、桜を意味する「花」ではなく、この時期に咲くライラックを意味する「リラ」を使い、「リラ冷え」という表現が使われます。

北海道では、ライラックの花が大通りや庭先によく植えられているため、道民にとって非常に馴染み深い植物だそうです。

花冷えの使い方

この「花冷え」も時候の挨拶として使うことができます。
時候の挨拶として使う場合は、主に3月下旬~4月中旬ごろに使用します。

花冷えの例文

【時候の挨拶】

「花冷えの候、いかがお過ごしでしょうか」

「花冷えの頃、皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか」

【結びの言葉】

「花冷えの折、風邪など召されませんようご自愛ください」

余寒の意味

余寒

「余寒(よかん)」の言葉の意味を調べてみると、「寒の戻り」と同義とされています。
つまり「余寒」も、立春(2月4日ごろ)以降に寒さがぶり返すことを指す言葉ということになりますね。

余寒の使い方

この「余寒」も時候の挨拶として使うことができます。
時候の挨拶として使う場合は、主に2月4日~2月末にかけて使用します。

余寒の例文

【時候の挨拶】

「余寒の候、貴社益々ご発展のこととお慶び申し上げます」

「余寒の頃、皆様いかがお過ごしでしょうか」

【結びの言葉】

「余寒の折、くれぐれもご自愛ください」

まとめ

というわけで今回は、「寒の戻り」「花冷え」「余寒」という言葉について、解説させて頂きました。

4月に「寒の戻り」という表現を使っても、大きな間違いではないようですが、「花冷え」の方がより適切かもしれません。
また、時候の挨拶で使う場合は、それぞれ使える時期が決まっているので注意しましょう。

それではまた~♪