桜餅の長命寺と道明寺の由来と歴史!関東と関西で違うのは何故?

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桜餅の長命寺と道明寺

もうすぐ桜のシーズンですね。
この時期になると色んな所で「桜餅」が売られていて、ついつい手が伸びてしまいます。

さてこの桜餅、実は関東と関西では全くの別物。
関東では小麦粉を使った「長命寺」というクレープ状の桜餅が主流なのに対し、関西ではもち米を使った「道明寺」というおはぎ状の桜餅が主流です。

どうして関東と関西で違う桜餅が作られるようになったのでしょう?
そこで今回は、長命寺と道明寺の由来や歴史について調べてみました。

長命寺の由来と歴史

桜餅の長命寺

関東風の桜餅「長命寺(ちょうめいじ)」は、小麦粉を使った生地であんこを巻いたクレープ状のもの。
名前の由来は、隅田川のほとりにある長命寺というお寺が発祥の地であったことから。

このクレープタイプの桜餅は、享保2年(西暦1717年)長命寺の門番をしていた山本新六という人物によって生み出されました。

桜の落ち葉の掃除に手を焼いた山本新六は、桜の葉を塩漬けにして巻いたクレープ状の桜餅を考案。
これを長命寺の門前で売り出したところ、当時の江戸で大ヒットしました。
特に、隅田堤(現在の墨堤通り)は当時から桜の名所だったため、花見客に大いに喜ばれたそうです。

以来、関東ではこのクレープタイプの「長命寺桜もち」が主流となりました。

ちなみに、山本新六が創業した和菓子店「山本や」は、今も墨田区向島で営業しています。
なんとこちらは「桜もち専門店」とのこと。

近くには、名前の由来となったお寺「長命寺」もあるので、お花見の際には立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。

【長命寺桜もち 山本や】
・定休日:月曜日(変更有り)
・営業時間:8:30~18:00
・店内飲食スペース有り
(※ただしお花見の時期は大混雑するため持ち帰りのみ)
・駐車場なし

道明寺の由来と歴史

桜餅の道明寺

関西風の桜餅「道明寺(どうみょうじ)」は、もち米を使った皮であんこを包んだおはぎ状のもの。
名前の由来は、皮を作る際に使われる「道明寺粉」から。
道明寺粉は蒸したもち米を乾燥させ粗挽きにしたもので、戦国時代には保存食などとして利用されていましたが、現在ではお菓子作りによく使われています。

このおはぎタイプの桜餅「道明寺」は、当時江戸で大ヒットしていた「長命寺桜もち」にならって、関西で生み出されたとされています。
大阪では北堀江の土佐屋というお店で1830~1844年ごろに登場したそうです。
ヒット商品を貪欲に取り入れていく姿勢は、さすが大阪、商魂たくましいですね(笑)。

でもなぜ、江戸の長命寺桜もちをそっくり真似しなかったのでしょうか?

実は関西には元々、道明寺粉を使ったお餅を椿の葉で包んだ「椿餅(つばきもち)」という餅菓子があったんです。
椿餅は平安時代(794~1192年ごろ)から食べられていた、非常に古い歴史を持つ食べ物。
この椿の葉を江戸の長命寺桜もちにならって桜の葉に変えるようになったことから、関西風の桜餅「道明寺」が生まれたそうです。

ちなみに大阪府藤井寺市には、材料である道明寺粉の由来となった「道明寺」というお寺が今もあるそうですよ。

おわりに

桜餅の長命寺と道明寺

というわけで今回は、桜餅の長命寺と道明寺の由来と歴史について解説させていただきました。

どちらも非常に古い歴史を持った、伝統ある和菓子でしたね。
クレープみたいで洋菓子風の長命寺も、実は300年近い歴史があることには驚きました。

皆さんも桜餅を食べるときには、こうした由来や歴史などにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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Posted by なおじ