イネ科の花粉症は5月6月がピーク 夏はカモガヤなどの雑草に注意!
花粉症の原因となる植物は「スギ」や「ヒノキ」だけではありません。
実はイネ科の植物が飛ばす花粉も、花粉症の原因となります。
5月に入り、スギやヒノキの花粉の飛散シーズンが終わると、今度はイネ科の植物が花を咲かせ、花粉を飛ばし始めます。
春を過ぎても花粉症の症状が治まらないという方は、この「イネ科の花粉症」を発症しているのかもしれません。
今回はこのイネ科の植物による花粉症について、原因となる植物や対策方法などを解説したいと思います。
5月6月はイネ科の花粉症シーズン
花粉症というと、日本ではスギ花粉のイメージが強いですが、ヨーロッパではイネ科の植物による花粉症が一般的です。
(ちなみにアメリカではキク科の植物による花粉症がメジャーです。)
イネ科の植物の多くは、春から夏にかけて開花します。
毎年5月~9月にかけて花粉を飛ばし、飛散のピークは5~6月ごろになります。
また、「スギ花粉症患者の約50%は、イネ科の植物の花粉にも反応する」といわれており、潜在的な患者数が意外と多いのが、このイネ科の花粉症になります。
原因はイネ科の雑草
イネ科の植物と聞くと、田んぼに植えてある「稲」や、畑の「麦」などを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、イネ科の花粉症の主な原因となるのは、イネ科の「雑草」になります。
今回はイネ科の花粉症の二大原因である、「カモガヤ」と「オオアワガエリ」について詳しく見てみましょう。
カモガヤ(オーチャードグラス)
「カモガヤ」は、ユーラシア原産のイネ科の植物です。
実は、世界中で利用されている非常にメジャーな牧草で、日本には牧草として明治時代に導入されました。
現在では、野生化したものが日本全土に分布しており、河原や空き地、道端など、どこででも見かけることができます。
オオアワガエリ(チモシー)
「オオアワガエリ」は、ヨーロッパ原産のイネ科の植物です。
実は「チモシー」という名前で、ウサギなどの餌としても売られています。
このオオアワガエリも、世界中で利用されている非常にメジャーな牧草です。
カモガヤと同じく、日本には明治時代に導入されました。
こちらも、野生化したものが日本全土に分布しており、河原や空き地、道端など、どこででも見かけることができます。
その他のイネ科の植物
他にも、花粉症の原因となるイネ科の植物には、次のようなものがあります。
・ホソムギ
・ギョウギシバ
・スズメノカタビラ
・スズメノテッポウ
イネ科の花粉症の症状
イネ科の花粉症の症状はスギ花粉と同様で、くしゃみ・鼻水といった鼻炎の症状や目のかゆみなどの症状が出ます。
この他に、皮膚のかゆみといった全身症状が出やすい特徴があります。
また、人によっては気管支喘息の原因になる場合もあるようです。
イネ科の花粉症の対策方法
イネ科の花粉症もスギ花粉と同様に、マスクやゴーグルの着用が有効です。
加えて、花粉が舞いやすい風の強い日は、外出を控えるようにすると良いでしょう。
また、イネ科の雑草は背が低く、花粉の飛散距離もせいぜい100~200m程度です。
スギ花粉のように数十kmも飛散するということはありません。
(スギ花粉の飛散距離は、ときに300kmにも及ぶことがあります。)
このため、河原や空き地など、雑草が群生している場所には近づかないようにするというのも、イネ科の花粉症対策として有効です。
さらに、イネ科の植物は午前中に大半の花粉を飛ばし、そのピークは大体8~10時頃になります(晴天の場合)。
このため、午前中の外出は控えるようにするというのも、イネ科の花粉症対策として有効です。
ただし、午前中の気温が低く、午後に気温が上がる日などは、午後から花粉を飛ばすこともあるので、気温の変化には注意しましょう。
というわけで今回は、イネ科の花粉症について解説させて頂きました。
それではまた~。
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