にがりダイエットは死亡の危険あり!絶対に原液で飲まないで!

暮らし, 健康

にがりを飲む女性

皆さん「にがりダイエット」って覚えていますか?
一時期、すごいブームになりましたよね。

しかし、今ではすっかりブームも沈静化してしまいました。
なぜでしょう?

実は、にがりにはダイエット効果はなかったみたいなんです。
それどころか当時、にがりを飲んで体調を崩す事例が相次ぎました。

というわけで今回は、にがりのダイエット効果の真偽や危険性について解説したいと思います。

にがりダイエットはウソだった?

ダイエット

2003~2004年ごろにかけて、テレビのワイドショーなどで、盛んに「にがりダイエット」が紹介されました。
その結果、にがりには痩身効果があるというイメージが広まり、全国でにがりブームが巻き起こりました。

この頃はすごかったですよね。
ドラッグストアなどではもちろん、普通のコンビニやスーパーにもにがりが売られていました。

しかし、ここで問題が起こります。

にがりを飲んで体調を崩す人が続出したのです。

中には、意識不明や心肺停止となり、緊急搬送されるケースもありました。
どうやら強い効果を求めて、原液のままや濃すぎる濃度で飲んでしまった人もいたようです。
(にがりは通常、水で薄めて服用します。)

この事態を受け、2004年7月14日、独立行政法人 国立健康・栄養研究所は、「にがりのダイエット効果には科学的根拠はない」との発表を行いました。

これ以降、にがりダイエットブームは収束していきます。

にがりの下剤作用

にがり

でも、にがりにダイエット効果がないのだとしたら、なぜあんなに「にがりダイエット」が流行ったのでしょうか?
その理由は、にがりの持つ「ある副作用」にありました。

実は、にがりには「下剤作用」があるんです。

にがりの主成分は「塩化マグネシウム」
マグネシウムには、腸内に水分を集めて排便を促す作用があります。

当時はテレビや雑誌などで、にがりダイエットの成功例がまことしやかに紹介されていました。
しかし、こうした成功例の多くは、この下剤作用により便通が改善し、便や水分を体外に排出した結果、一時的に体重が減っただけだったというわけです。

にがりの死亡例

老人女性

意識不明や心肺停止で緊急搬送された事例があることからもわかる通り、にがりの過剰摂取は非常に危険です。

過去には、誤ってにがりの原液を飲んでしまった女性が死亡した例もあります。

2004年3月、神奈川県の知的障害者厚生施設で、職員が誤ってにがりの原液400mlを入所者の女性(56)に飲ませたところ、女性は脳幹部梗塞で危篤状態となりました。
脳幹部梗塞、つまり血管が詰まってしまったわけです。

この施設では、入所者の便秘治療用ににがりを使っていたとのこと。
女性は危篤状態のまま、数週間後に死亡しました。

このように、にがりの過剰摂取は非常に危険です。
ダイエット目的で飲む人はもういないと思いますが、下剤として使う場合であっても、必ず水で薄めて原液で飲まないようにしてください。

ちなみに、マグネシウムの1日当たりの摂取量の目安は80~300mg。
上限摂取量は、1日当たり約700mgだそうです。

参考にしてみて下さい。
ではでは。