失業保険の待機期間と給付制限とは?自己都合は3ヶ月待たされる!

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待機期間と給付制限

皆さん、こんにちは。
元・雇用保険受給者の「なおじ」と申します。

私は雇用保険の失業給付を半年間受給して、合計で約100万円をもらうことができました。
結構すごいでしょ(笑)。

そんな100万円を受給した男「なおじ」が、雇用保険について解説している本シリーズ。
第3回目となる今回は、受給手続き完了後の「待機期間」「給付制限」について解説したいと思います。

待機期間とは?

待機期間とは

ハローワークで雇用保険の基本手当の受給手続きをして受給資格が決定すると、受給者はそこから7日間の「待機期間」に入ります。

待機期間は、退職理由にかかわらず受給資格者全員に一律で適用されます。

この待機期間の7日間は、まだ基本手当は発生しません。
基本手当が発生するのは、待機満了の翌日からになります。

「基本手当」というのは、雇用保険の受給者に支給される給付金のことです。
以前は失業手当という名称でしたが、現在は基本手当という名称に変更されています。

なお、待機期間は受給資格の決定日(ハローワークで受給手続きを行った日)自体を含めて、7日間をカウントします。

ちょっと分かりずらいので、ここで具体的な例を見てみましょう。

例.【会社都合で退職し、4月1日に雇用保険の受給手続きをした場合】

この場合、4/1(受給資格決定日)から、4/7(待期満了日)までの7日間が待機期間になります。

従って、雇用保険の基本手当が発生するのは、4/8(待機満了の翌日)からになります。

待機期間中はただ待つだけで、受給者側ですることは特にありません

ハローワーク側で支給金額や支給日数を計算したり、受給資格者証などの書類を発行したりするための、手続き処理のための期間だと考えればよいでしょう。

待機期間中はアルバイトはできない!

待機期間中は、必ず失業状態で7日間を過ごす必要があります。
もし、待機期間の7日間にアルバイトなどの就労があった場合、待機期間が延長されてしまいます。

このためアルバイトなどをしたい場合は、待期満了の翌日から行うようにしましょう。
待期期間が終われば、基本手当の受給中であってもアルバイトは可能です。

給付制限とは?

給付制限とは

受給者の退職理由によっては、7日間の待機期間を経た後、さらに3ヶ月間の「給付制限」という期間が設けられています。

この「給付制限」は、受給者の退職理由が以下の2つのどちらか一方にでもあてはまる場合に適用されます。

①正当な理由がなく自己の都合で退職した場合

②自己の責任による重大な理由により解雇された場合

この給付制限の3ヶ月間も、まだ基本手当は発生しません。

給付制限がある場合、7日間の待機期間を経た後、さらに給付制限の3ヶ月間を経過して、ようやく基本手当が発生することになります。

これも具体的な例を見てみましょう。

例.【自己都合で退職し、4月1日に雇用保険の受給手続きをした場合】

この場合、4/1(受給資格決定日)から、4/7(待期満了日)までの7日間が待機期間になります。
さらにその後、4/8(待機満了の翌日)から7/8までの3ヶ月間が給付制限期間になります。

従って、雇用保険の基本手当が発生するのは、7/9からになります。

受給期間に注意!

雇用保険の受給期間

雇用保険の基本手当には、「受給期間」という受け取りの期限(タイムリミット)が定められています。

基本手当の「受給期間」は、原則として離職日の翌日から1年間です。
この受給期間を過ぎてしまうと、所定給付日数(受給できる日数)をまだ残していたとしても、残りの日数分は受け取ることができません。

例えば給付制限がある場合、7日と3ヶ月が経過して、ようやく給付がスタートすることになります。
この場合、もし受給手続きを行うのが遅れてしまうと、受給中に1年間の受け取り期限を迎えてしまい、給付を全額受け取ることができなくなってしまうかもしれません。

給付制限がある方は、この「受給期間」に充分注意して下さい。

さて、そんな厄介な給付制限ですが、実はある方法を使うと解除することができるんです!

職業訓練で給付制限を解除できる!

給付制限の解除

ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練を受講した場合、給付制限を解除することができます。

「職業訓練」というのは、就職のための技術や知識を学ぶことができる制度のことです。
テキスト代などを除いて、基本的に無料で受講することができ、学校に通うような感じで数ヶ月間授業を受け、各種の資格などを取ることができます。

この職業訓練をハローワークを通して(受講指示を受けて)受講すると、給付制限が解除され、3ヶ月を待たずに基本手当が発生するようになります。

給付制限の解除が適用されるのは、職業訓練の訓練開始日(授業の初日)からとなります。

これも具体的な例を見てみましょう。

例.【自己都合で退職し、4月1日に雇用保険の受給手続きを行い、職業訓練の授業初日が5月8日の場合】

この場合、4/1(受給資格決定日)から、4/7(待期満了日)までの7日間が待機期間になります。
さらにその後、本来であれば、4/8(待機満了の翌日)から7/8までの3ヶ月間が給付制限期間になります。
ですがこの例では、5/8から職業訓練に通い始めているため、ここで給付制限が解除されます。

従って、雇用保険の基本手当が発生するのは、5/8からになります。

ただし、職業訓練には定員があり、筆記試験面接に合格する必要があります。
また訓練生の募集も、訓練開始の1ヶ月前には締め切られるため、給付制限を解除したい方はかなり計画的に動く必要があります。

職業訓練や受講指示については、↓こちらのページで詳しく解説しています。

おわりに

というわけで今回は、雇用保険の「待機期間」「給付制限」について解説させていただきました。

待機期間と給付制限が終わると、いよいよ基本手当が発生します。
しかし、まだこの手当を受け取ることはできません。

発生した基本手当を受け取るためには、「求職活動実績」を作り、それを「認定日」にハローワークへ報告する必要があります。

次回はこの「求職活動実績」「認定日」について解説したいと思います。