にがりダイエットは効果ない?知らないと危険な苦汁の使い方!
皆さん「にがりダイエット」って覚えていますか?
一時期、大ブームになりましたよね。
「私も挑戦した!」という方も多いのではないでしょうか。
さて、この「にがりダイエット」、今ではすっかり聞かなくなってしまいました。
一体なぜでしょう?
実は、にがりにはダイエット効果はなかったみたいなんです。
というわけで今回はこの「にがり」について調べてみました。
にがりとは?
そもそも「にがり」って一体何なのか、皆さんご存知ですか?
にがりとは、海水から塩を結晶化して取り出したときに残る液体のこと。
漢字では「苦汁」と書くように、もの凄~く苦い液体です。
にがりには、非常に豊富なミネラルが含まれてます。
塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなど、その種類は実に100種類以上。
さてこの「にがり」、私たちの身近な所でも使われていますよね。
そう、「お豆腐」です。
にがりは豆腐を作る際の凝固剤として使われています。
70~75℃ほどに加熱した豆乳ににがりを入れて混ぜると、豆乳のタンパク質が固まってきます。
これを布でこして集めれば、見事手作り豆腐の完成です。
ちなみに、市販の豆乳でも充分豆腐は作れるそうですよ。
(大豆固形成分が10%以上の成分無調整豆乳が良いらしい。)
にがりの効果
ブームになったダイエット効果をはじめ、にがりには様々な効果があるといわれています。
しかし、効果があるとされるものの中には、科学的根拠のないものもあるんです。
一つずつ見ていきましょう。
ダイエット効果
2003年~2004年位にかけて、テレビなどで「にがりダイエット」が紹介されたことにより、にがりには「痩身効果」があるというイメージが広まりました。
しかし、にがりの摂取により体調を崩す事例が相次ぎ、国立健康・栄養研究所は「にがりのダイエット効果には科学的根拠はない」との発表を行い、注意を呼びかけました。
現在でも、にがりのダイエット効果に関しては、科学的に立証されていません。
また過去には、にがりの過剰摂取による死亡事故も発生しています。
なので現状では「にがりにはダイエット効果はない」と考え、ダイエット目的で飲むのはやめておきましょう。
美肌効果
にがりには「美肌効果」もあるともいわれていますね。
スキンケアの際、化粧水ににがりを一滴加えると、肌の調子が良くなるのだとか。
また、お風呂に入れて入浴剤として使うやり方もあるそうです。
直接摂取するわけではないので、こちらは比較的安全でしょうか。
便秘解消
にがりには「下剤作用」があるため、便秘解消に効果があります。
こちらは科学的にも証明されていて、にがりの主成分であるマグネシウムには腸内に水分を集めて排便を促す作用があります。
にがり自体も、下剤として使われることがあるんですよ。
ちなみに、前述のダイエット効果に関しては、「にがりによる下痢や便秘解消で一時的に体重が減っただけ」とする見方が強いようです。
アレルギー改善
アトピーや花粉症などの「アレルギー症状」は、現代人の慢性的なミネラル不足による免疫機能の低下が原因であるといわれています。
このため、ミネラル豊富なにがりを摂取することによって、本来持っている免疫機能が正常化して、アレルギー症状の改善が見込めるとのこと。
ただしこちらも、摂取の際には細心の注意が必要です。
知らないと危険なにがりの使い方!
にがりダイエットがブームの頃、にがりを飲んで体調を崩す人が続出しました。
にがりは飲みすぎると、下痢や栄養の吸収阻害などといった健康への悪影響が出てしまいます。
また、にがりの過剰摂取は「高マグネシウム血症」という症状を引き起こし、最悪の場合死に至る可能性もあります。
実際に、2004年3月には神奈川県の知的障害者厚生施設で、にがりの原液400mlを誤って飲んだ女性が死亡する事故が起きています。
このため、にがりを摂取する際は必ず水で薄めて、絶対に原液で飲まないようにしましょう。
厚生労働省の発表によると、マグネシウムの1日の摂取量の目安は80~300mgとされています。
パッケージの用法容量をよく読み、くれぐれも飲み過ぎないように注意しましょう。
というわけで今回は、「にがり」について解説させて頂きました。
ではでは~。
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