受講指示のための残日数が足りない！受講推薦になってしまった話
雇用保険の受給者が「公共職業訓練」と受講する場合、「受講指示」と「受講推薦」のどちらかの形で受講することになります。
残念ながら私は雇用保険の「支給残日数」が足りなかったため、「受講指示」が受けられず、「受講推薦」になってしまいました。
公共職業訓練とは？
「公共職業訓練」というのは、再就職を目指す求職者が就職に必要な技術や知識を習得するための訓練制度です。
国が実施している制度で、テキスト代などを除き、基本的に無料で受講することができます。
職業訓練の主なコース（授業）には、次のようなものがあります。
・プログラマー
・ファイナンシャルプランナー
・簿記
・福祉介護
・医療事務
・建設CAD
etc・・・
職業訓練の各コースには定員が決められていて、希望者全員が受講できるわけではありません。
訓練を受講するには、「入所選考」に合格する必要があります。
「入所選考」の内容は、筆記試験（国語と数学の2科目）と面接です。
入所選考に合格すると、数ヶ月間訓練校に通い、授業を受けることになります。
訓練期間はコースによって違いますが、概ね3～6ヶ月間のコースが一般的です。
受講指示と受講推薦の違い
雇用保険の受給者が「職業訓練」を受講する場合、ハローワークから「受講指示」か「受講推薦」のどちらかを受けて受講することになります。
「受講指示」を受けた場合はたくさんのメリットがあるのですが、「受講推薦」の場合はほとんどメリットはありません。
この2つの違いを詳しく見ていきましょう。
受講指示のメリット
ハローワークから「受講指示」を受けて職業訓練に通うと、次のように様々な優遇措置が受けられます。
・通所手当が支給される
・寄宿手当が支給される（※該当者のみ）
・訓練受講中は基本手当の支給が延長される
・認定日と求職活動実績が免除される
・給付制限の解除
まず何といっても「受講手当」がもらえることが最大のメリットでしょう。
受講指示を受けて職業訓練を受講する場合、「基本手当」とは別に、受講者には1日500円の「受講手当」が支給されます。
この「受講手当」は最大で40日間支給されるので、合計で500円×40日＝2万円がもらえることになります。
さらに、訓練校が自宅から2km以上はなれている場合、受講指示を受けている受講者には「通所手当（交通費）」が支給されます。
また、職業訓練を受講する為に家族と離れて暮らす必要がある場合は、月10,700円の「寄宿手当」が支給されます。
これらの各種手当の他に、雇用保険の面でも様々なメリットがあります。
まず、訓練受講中に基本手当の「所定給付日数」が終了する場合、訓練修了日まで給付が延長されます。
延長中に支給される金額についても、それまで通り「基本手当日額」が支給されます。
また、訓練受講中の認定日と求職活動実績作りが免除されます。
3ヶ月間の「給付制限」がある場合は、訓練の開講日（授業初日）から給付制限を解除することができます。
受講推薦のデメリット
一方、「受講推薦」で職業訓練に通う場合は、次のようにほぼメリットがありません。
・交通費は自己負担
・寄宿手当も出ない
・基本手当の支給延長も無し
・認定日の免除も無し
各種手当は一切支給されない上に、受講中の給付延長措置なども受けられません。
（※「給付制限の解除」については、そもそも「受講推薦」になった時点で給付制限期間を終えているので除外しています。）
「受講推薦」唯一のメリットは、「求職活動実績」の免除でしょう。
職業訓練に通うこと自体が「求職活動」として認められるので、2回分の「求職活動実績」を作る必要はありません。
ただし、「受講指示」と違って、認定日のハローワーク来所は免除されていないので、28日おきに必ずハローワークで手続きを行う必要があります。
受講指示に必要な支給残日数
ハローワークから職業訓練の「受講指示」を受けるためには、訓練の開講日（授業初日）の時点で、基本手当の「支給残日数」が一定以上必要になります。
必要になる「支給残日数」は、「給付制限」の有無と「所定給付日数」によって異なります。
【給付制限が有る場合】
【給付制限が無い場合】
私はこの日数が足りなかったため「受講指示」が受けられませんでした。
ハローワークの職員さんが「受講推薦なら受けられるよ」と言ってくれましたが、それはお断りしました。
だってメリットが無いの知ってたから（笑）。
おわりに
というわけで今回は、職業訓練の「受講指示」と「受講推薦」の違いについて解説させていただきました。
色々とお得な「受講指示」と違って、「受講推薦」にはマジでメリットがありません！（笑）
職業訓練を受講する予定の方は、くれぐれも基本手当の「支給残日数」に注意してくださいね。