つくしの緑の粉は花粉じゃなくて胞子!これって食べてもいいの?

植物, 自然

つくし

春になるとそこらじゅうに「つくし」が生えてきますよね。
春の訪れを感じさせる風物詩。
タダで手に入る食材なので、食べたことがある方も多いでしょう。

さて皆さん、つくしを採ったり調理しているときなどに、つくしの穂先から緑色の粉が落ちてきたことってありませんか?

↓このつくしの先っちょに詰まっている緑色のホワホワしたやつです。

つくしの胞子

この粉って一体何なのでしょう?
食べてもいいのでしょうか?

というわけで今回は、この「つくしから出る緑の粉」について解説したいと思います。

つくしの緑の粉の正体は胞子!

つくしの胞子

このつくしの穂先から落ちてくる緑の粉の正体は「胞子」です。
胞子、理科の授業で習いましたよね。
(ちなみに、このつくしの胞子のことを「花粉」と説明している人がよくいますが、正確には花粉ではありません。)

シダ植物やコケ植物、菌類などは、「種子」ではなくこの「胞子」で子孫を増やします。
つくしはこの中の「シダ植物」に分類されます。

つくしはシダ植物!

ワラビの画像

シダ植物といえば、ワラビやゼンマイなどの山菜を思い浮かべますよね。
シダ植物であるつくしは、これら山菜の仲間に当たります。

ところで皆さん、ワラビやゼンマイなどの山菜を食べるときって、調理の際に必ず「アク抜き」をしますよね。
これは、シダ植物に含まれる「チアミナーゼ」という成分を取り除くために行っているんです。

このチアミナーゼという成分、それ自体に毒はないのですが、実はビタミンB1を破壊(分解)するという性質を持っています。
このため、大量に摂取すると「チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)」を引き起こしてしまいます。

重度のチアミン欠乏症は、「脚気(かっけ)」という症状を引き起こしてしまいます。
脚気というと、心不全や末梢神経障害をきたすこともあるとても危険な症状ですね。

つくしもシダ植物のため、このチアミナーゼを含んでおり、食べる際には必ずアク抜きを行う必要があります。

つくしの胞子は食べられるの?

つくしの胞子

つくしの緑の粉「胞子」は、問題なく食べることができます。

つくしを採っていると、穂先の締まった緑色のものと、穂先の開いた茶色いものがあることに気付きますよね。
この緑色の締まった穂先の中にはつくしの胞子が入っていて、このまま調理して穂先ごと食べることができます。

穂先の開いた茶色い方は、胞子を撒き終えたものです。
もちろんこちらも食べられます。

つくしの胞子の味は?

つくしのおひたしの画像

さて、つくしの胞子が食べられるのはわかりましたが、そうなると気になってくるのは「胞子の味」でしょう。
以前、実際に「茶色のつくし(花粉なし)」「緑色のつくし(花粉あり)」を、おひたしにして食べ比べてみました。

花粉なしの茶色の方は、クセがなくとても食べやすかったです(味がないともいう)。

一方、花粉ありの緑の方は、なんだか漢方薬のような微妙な味がしました。
胞子で口の中が粉っぽくなるし、正直あまりおいしくはなかったです。

人それぞれ好みがあると思いますが、花粉のない茶色いつくしの方が食べやすくて個人的にはおすすめです。

というわけで今回は、つくしから出る緑の粉について解説させていただきました。
それではまた~。

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Posted by なおじ