都会と田舎の花粉症の違い 移住したら治ったって聞くけど本当?

気象・気候, 自然

「田舎に移住したら花粉症が治った。」
田舎で暮らしていると、たまにこんな話を耳にすることがあります。
こんなことって本当にあるんでしょうか?

今回は、都会と田舎の花粉症について解説したいと思います。

田舎に移住すると花粉症が治る?

私は17年間東京で暮らした後、去年故郷の長野県に帰ってきました。
もともとひどい花粉症持ちなのですが、田舎に帰ってきてからも特に症状は全く良くなってはいません。

そもそも田舎は、花粉症の原因となる植物の量が、都会よりも圧倒的に多いです。
症状が良くなるよりも、ひどくなる可能性の方が大きいでしょう。

また田舎は、スギやヒノキだけでなく、イネ科やキク科の植物など、花粉症の原因となる植物の種類も豊富です。
夏場にはイネ科の、秋にはキク科の植物が花粉を飛ばすため、花粉症の発症期間も都会より長期化しやすいです。
現に私自身も上京する前から、毎年夏にも秋にも花粉症を発症していました。

このため花粉症が良くなることを期待して、安易に田舎に移住するのはやめた方がいいかと思います。

都会の花粉症はひどい?

それでは冒頭の「田舎に移住したら花粉症が治った」という話はデタラメなのかというと、私はこの話も決して間違いではないと思っています。

なぜなら、都会で発症する花粉症には、田舎の花粉症よりも症状がひどくなるケースが存在するからです。

排気ガスの微粒子が原因

実は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる微粒子には、花粉を吸着する性質があることがわかっています。
このため、排気ガスが混ざった空気を吸うと、通常よりも多くの花粉を体内に取り込んでしまうことになります。

さらに、この微粒子は花粉症の発症や症状の悪化に影響を及ぼすことが明らかになっています。

大気中の排気ガス濃度が濃い地域は、都市部に集中しています。
このため都会の花粉症には、この微粒子の影響で症状が悪化してしまっているケースがあるわけです。

排気ガスの微粒子によって花粉症の症状が悪化してしまっている人の場合は、空気のきれいな田舎に移住することで、花粉症の症状が改善することも充分に考えられます。
なので「田舎に移住したら花粉症が治った」という話も、あながち間違いではないのです。

コンクリートやアスファルトも良くない!

通常、花粉は地面に落ちると土に吸収されてしまいます。
しかし都会の場合、地面がアスファルトやコンクリートなので花粉が吸収されず、何度でも風で舞い上げられてしまいます。
この花粉の「再飛散」も、最近では大きな問題になっています。

北海道と沖縄の花粉症

また、本当に「田舎に移住したら花粉症が治った(症状が出なくなった)」という例外も存在します。
それは、移住先が「北海道」か「沖縄」だった場合です。

北海道と沖縄には、花粉症の原因となるスギそのものがほとんど生えていないため、花粉症の症状が良くなることがあります。
この場合は本当に「田舎に移住したら花粉症が治った」ということになりますね。

ただ、北海道ではスギがない代わりに、シラカバが花粉症の原因になることがあるようです。

まとめ

というわけで今回は、都会と田舎の花粉症について解説させて頂きました。

冒頭の「田舎に移住したら花粉症が治った」という話は、決して嘘を言っているわけではないと思いますが、アレルギー症状というのは人それぞれです。
田舎の空気が合う人もいれば、単純にスギやヒノキの多さに苦しむ人もいます。
移住を検討する際には、こういったことも考慮してみて下さい。

それではまた~♪