田舎への移住の失敗を防ぐ注意点 ゴミの出し方や分別ルールが厳しい
「田舎に移住したら、ゴミ出しや分別に関するルールが厳しくなった。」
田舎暮らしをしていると、こういった意見をよく耳にします。
そこで今回は長野県の市町村を例に、都会と田舎のゴミ出しのルールを比較して、移住の際に気をつけてもらいたい注意点などを解説したいと思います。
ゴミ袋は有料!
田舎では、市町村が指定した有料のゴミ袋でゴミを出す決まりになっている地域がたくさんあります。
ここでは長野県長野市を例に見てみましょう。
長野市で家庭ゴミを出すには、有料の指定ゴミ袋を購入する必要があります。
東京23区ではコンビニやスーパーのレジ袋でゴミを出せるので、ゴミ袋が有料であることに驚かれる移住者さんもいます。
指定以外のゴミ袋でゴミを出してしまうと、ゴミ収集車はそのゴミをに回収してくれません。
レジ袋などはもちろんですが、例えば長野市でゴミを出すのに、松本市の指定ゴミ袋を使ってしまうと、有料の袋であっても回収してもらえません。
また指定ゴミ袋には、可燃ゴミ用、不燃ゴミ用、プラスチック製品用の3種類があり、その曜日に出せるゴミに対応した袋を使う必要があります。
不燃ゴミの曜日に可燃ゴミの袋でゴミを出した場合も、回収してもらえません。
ゴミ袋の値段
指定のゴミ袋は、市内のコンビニやスーパー、ドラッグストアなどで購入することができます。
ゴミ袋の価格は長野市の場合、以下のような感じです。
・可燃ゴミ30リットル用(大)・・・・10枚375円
・可燃ゴミ20リットル用(小)・・・・10枚265円
・不燃ゴミ30リットル用(大)・・・・10枚375円
・不燃ゴミ20リットル用(小)・・・・10枚265円
・プラ製ゴミ30リットル用(大)・・・10枚75円
・プラ製ゴミ20リットル用(小)・・・10枚65円
(※店舗によって価格は多少違います。)
ゴミ袋に名前を書く!?
これも都会からの移住者さん達には驚かれるのですが、そのゴミを誰が出したのかわかるように、ゴミ袋に名前を記入しなければならない地域があります。
例えば長野県松本市の場合、指定ゴミ袋の中央に氏名を記入する欄があり、無記名のゴミ袋は回収されません。
このようなゴミ袋に名前を書く地域は、田舎では割とたくさんあります。
田舎への移住を検討している方は、事前に市役所等で確認しておくと良いでしょう。
収集日が少ない!
東京23区のゴミの収集日は、可燃ゴミが週2回、不燃ゴミが週1回、資源ゴミが週1回、といった感じですよね。
これも長野県長野市の場合と比較してみましょう。
長野市では、可燃ゴミは週2回ですが、不燃ゴミは月1回、びん・缶・紙類がそれぞれ月1回となっています。
(このほかにプラ製ゴミが週1回、ペットボトルが月2回あります。)
なんと、東京23区では毎週捨てることができた不燃ゴミ・資源ゴミが、長野市では月1回しか捨てることができないのです。
特にビン・缶類のゴミは、普通に生活していると割と溜まってしまうので、収集日が月1回だけだとかなり不便です。
移住の際にはこういったこともきちんと把握して、移住地を選びましょう。
粗大ごみの回収日も少ない
東京の場合、粗大ごみの回収は電話で依頼しますよね。
粗大ごみ受付センターに電話をして回収日を予約して、コンビニなどで粗大ごみシールを買って名前を書いて貼り、予約日の朝に出しておけば、回収してもらえます。
つまり、基本的にはいつでも粗大ごみを出すことができるわけです(年末年始などを除く)。
ところが田舎の場合、粗大ごみを出すのはかなり大変です。
例えば長野県大町市の場合、粗大ごみの回収日は年5回のみとなっています。
もっと少ない所では、粗大ごみ回収は年1回のみという地域もあります。
粗大ごみになりそうな物は極力買わない、というのも田舎暮らしでは大切なポイントになります。
分別ルールも厳しい!
東京23区のゴミの分別は、基本的に可燃ゴミと不燃ゴミ、資源ゴミに分けるだけです。
資源ゴミに関しても、びん・缶・ペットボトル・紙に分けるだけです。
しかし田舎の場合、さらに細かく分別する地域もあります。
プラスチック製のゴミ
長野市の場合、可燃ゴミと不燃ゴミ、資源ゴミを分別する他に、さらにプラスチック製のゴミを分別します。
プラスチック製のゴミというのは、↓こういう「プラマーク」の付いている物のことです。
具体的には、食品の容器や袋、シャンプーなどのボトル、発泡スチロールなどです。
これらは東京では可燃ゴミとして出すことができましたが、田舎ではリサイクルできるゴミとして扱い、可燃ゴミとは別の曜日に回収されます。
びんの色も分ける!
東京23区では、びん類は資源ゴミの曜日に出ているびん用のコンテナに入れるだけでOKです。
しかし田舎の場合、びん類の中でさらに細かく分別されます。
長野市ではびん類を捨てる際、そのびんの色ごとに分別します。
びん類を回収する曜日には、びんの色ごとに、無色透明、茶色、その他の色の、それぞれ専用の回収コンテナが用意されます。
また、ビールびんや一升びんなどの繰り返し使えるびんは、なるべく販売店に返却する決まりになっています。
まとめ
田舎は人口が少ない分、税収も少なくなるので、処理能力の高いゴミ処理施設を建設することが困難です。
そのため、処理能力の低い施設でも処理できるよう、分別の段階から細かくルールを決め、リサイクルできるものは可能な限り再利用する仕組みになっています。
もしかすると、田舎はルールが厳しくて住みにくい、なんて思われてしまったかもしれませんね。
ですが、田舎のゴミ出しルールがこれほど厳しくなってしまったのには、税収の問題以外に、これまでの移住者がルールを守らなかったことも背景にあります。
今回の記事で書いたように、都会ではOKだったゴミの出し方でも、田舎ではルール違反になってしまうことがあります。
この認識のズレにより、違反であるとは知らずにルール違反をしてしまう者が移住者の中にあらわれます。
すると田舎サイドとしては、ゴミ出しに関する決まりや、違反者に対する対応を厳しくせざるを得なくなります。
厳しくなったルールは、認識のズレをさらに大きくし、新たな違反者を生み出してしまいます。
こうして負のループになった結果、田舎のゴミ出しのルールはさらに厳しくなってしまったわけです。
田舎に移住する際には、ゴミの出し方や分別ルールに関して、念入りに調べておくことをおすすめします。
ルールは細かいですが、キチンと守ってゴミ出ししてくれるなら、大抵の田舎は移住者ウェルカムですよ。
というわけで今回は、田舎でのゴミ出しについてご紹介させて頂きました。
それではまた~♪
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