自転車事故による慰謝料・賠償金の高額事例トップ10を調べてみた

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近年、自転車保険の加入を義務化する自治体が増えてますよね。
私の住むここ長野県でも、令和元年(2019年)10月1日より自転車保険の義務化がスタートしました。

自転車保険を義務化する条例は、2015年10月、兵庫県で初めて施行されました。
以降、この義務化の流れは全国に広まり、現在では自転車保険の加入を義務付けている自治体は12に増えています。
(この他に努力義務としている自治体が10あります。)

ですが何故、ここ数年でこんなにも自治体による自転車保険の義務化が進んだのでしょうか?

その理由の1つとして、事故により高額な賠償金を請求されるケースが増加していることが挙げられます。

「高額な賠償金」なんて聞くと、何だかちょっと怖いですよね。
ただ、実際に事故を起こしたことがない人からすると、賠償金というものが一体どのくらいの金額になるのか見当もつきません。

そこで今回は、自転車事故による賠償金の高額事例トップ10を調べてみました。
(2019年10月1日時点)
現在、自転車保険の加入を検討しているという方は、こういった過去の事例などもぜひ参考にしてみて下さい。

【第1位】小学生が起こした自転車事故で母親に9,521万円の賠償命令!

裁判

自転車事故による賠償金の最高額は、平成25年7月に神戸地方裁判所で判決が下された9,521万円になります。

当時小学5年生だった11歳の少年が、夜間に自転車で帰宅中、歩行中の62歳女性と正面衝突。
被害者の女性は頭を強打し頭蓋骨を骨折。
一命は取り留めたものの、意識は戻らず寝たきりの状態となりました。

神戸地裁はこの事故をめぐる裁判で、監督義務を果たしていないとして少年の母親に9,521万円の賠償を命じました。

【第2位】高校生の起こした事故で被害者に重大な障害!賠償金9,266万円!

裁判

第2位は、平成20年6月に東京地方裁判所で判決が下された9,266万円になります。

男子高校生が昼間、前方に自転車横断帯があるにもかかわらず、その横断帯のかなり手前から車道を斜めに横断。
このとき、対向車線を自転車で直進してきた24歳の男性会社員と衝突。
この事故により、被害者の男性会社員に言語機能の喪失などの重大な障害が残り、東京地裁は9,266万円の賠償命令を下しました。

【第3位】ペットボトル片手に下り坂を高速で走行!被害者死亡で賠償金6,779万円!

裁判

第3位は、平成15年9月に東京地方裁判所で判決が下された6,779万円になります。

男性が夕方、ペットボトルを片手に自転車で下り坂を高速で走行。
スピードを落とさず交差点に進入した際、横断歩道を横断中の38歳女性と衝突。
被害者の女性は脳挫傷等で3日後に死亡しました。

【第4位】信号無視で被害者死亡!賠償金5,438万円!

第4位は、平成19年4月に東京地方裁判所で判決が下された5,438万円になります。

男性が日中、信号を無視して高速で交差点に進入。
このとき、青信号で横断歩道を歩行中の55歳女性と衝突。
被害者の女性は、頭蓋内損傷等で11日後に死亡しました。

【第5位】女子高生が携帯電話でながら運転!被害者に重大な障害で賠償金5,000万円!

第5位は、平成17年11月に横浜地方裁判所で判決が下された5,000万円になります。

当時16歳の女子高校生が、夜間に無灯火で携帯電話を操作しながら自転車を運転。
このとき前方を歩行中だった57歳の女性に後ろから衝突。
被害者の女性は転倒した際に首などを強打し、歩行困難などの重大な後遺障害が残り、職を失いました。

【第6位】競技用自転車で信号無視!被害者死亡で賠償金4,746万円!

第6位は、平成26年1月に東京地方裁判所で判決が下された4,746万円になります。

46歳の男性会社員が、競技用自転車で赤信号を無視して時速15~20キロで横断歩道に侵入。
このとき、横断歩道を歩行中だった75歳女性に衝突。
被害者の女性は頭を強く打ち、脳挫傷等で5日後に死亡しました。

【第7位】男子高校生が自転車で信号無視!被害者死亡で賠償金4,043万円!

第7位は、平成17年9月に東京地方裁判所で判決が下された4,043万円になります。

男子高校生が朝、赤信号を無視して交差点に進入。
オートバイを運転していた施盤工の男性(62)と衝突。
被害者の男性は、頭蓋内損傷で13日後に死亡しました。

【第8位】男子中学生が無灯火で歩道を走行!被害者死亡で賠償金3,970万円!

第8位は、平成19年7月に大阪地方裁判所で判決が下された3,970万円になります。

当時15歳の男子中学生が歩道を自転車で走行中、62歳会社員の男性と衝突。
被害者の男性は死亡。
少年には、無灯火運転に加え、視力が悪いのにもかかわらず眼鏡をかけていなかった等の過失があるとみなされました。

【第9位】二人乗りの自転車で衝突!被害者は植物状態→死亡で賠償金3,730万円!

第9位は、平成14年6月に大阪地方裁判所で判決が下された3,730万円になります。

二人乗りの自転車が信号機のない交差点に進入。
このとき、対向進行してきた男性(70)の運転する自転車と衝突。
被害者の男性(70)は、脳挫傷、脳内出血、急性硬膜下血腫の重症を負って病院へ搬送。
緊急手術が行われましたが植物状態に陥り、事故の1年4ヶ月後に死亡しました。

【第10位】男子高校生が自転車で衝突!被害者死亡で賠償金3,138万円!

第10位は、平成14年2月さいたま地方裁判所で判決が下された3,138万円になります。

男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入。
このとき、保険勧誘員の女性(60)が運転する自転車と衝突。
被害者の女性は転倒し頭蓋骨骨折で病院に搬送されましたが、9日後に死亡しました。

まとめ

自転車事故

というわけで今回は、自転車事故による賠償金の高額事例をご紹介させていただきました。

ご覧になっていて気付いたかもしれませんが、自転車による事故では小学生~高校生といった未成年者による事例が多く目立ちます。

まあ、これは考えてみれば当然ですね。
18歳になれば免許を取って自動車に乗れるようになるわけですから、自転車に乗っているのは必然的に18歳以下の子どもが多くなるわけです。

しかし、子どもに数千万円の賠償金を支払うことなんて普通できませんよね。
当然ですが、本人だけでなくその保護者や家族にも大きな経済的負担がのしかかってくることになります。

というわけでお子さんがいるご家庭の方は、この機会に自転車保険の加入を真剣に検討してみるのも良いのではないでしょうか。