つくし料理に挑戦 緑色の胞子があるものは本当においしいのか?

植物, 自然

春のつくしの画像

春になって我が家の畑の片隅では、つくしがニョキニョキと生えてきました。
このところ毎日次々と生えてきています。

実は、私は今まで一度もつくしを食べたことがありません。
せっかくこんなに生えているのですから、ここは一つ、実際に料理して食べてみようと思います。

つくしの下処理

つくしを料理する際は、下処理をしっかり行うのがポイントです。

このつくしの茎に一定間隔で付いているギザギザのやつを「はかま」といいます。

つくしのはかまの画像

つくしは穂先から茎まで全部食べられますが、この「はかま」は硬くて食べられないので、下処理の段階で取り除く必要があります。
いわゆる「つくしのはかま取り」というやつです。

また、つくしには「チアミナーゼ」という成分が含まれているため、食べる前には必ずアク抜きをする必要があります。
(「チアミナーゼ」については後述します。)

はかま取りやアク抜きの下処理が終われば、おひたしや卵とじ、天ぷらなど、色々な料理で楽しむことができます。

つくしの食べ過ぎには注意!

つくしに含まれる「チアミナーゼ」という成分は、「チアミン欠乏」の原因になります。
「チアミン」というのは「ビタミンB1」のことで、このチアミン欠乏は「脚気(かっけ)」を引き起こします。
脚気というと、末梢神経障害でひざの反射が鈍くなったり、重症化すると心不全になったりする、非常に怖い症状ですね。

このため、つくしを食べる際は必ずアク抜きをし、大量摂取や長期摂取をしないよう注意が必要になります。

つくしのおひたし作ってみた

つくしを食べる際の注意点もわかったところで、いよいよ料理を作ってみましょう。
と言っても、私は普段あまり料理はしないので、難しいことはできません。
今回は一番簡単そうな「つくしのおひたし」を作ってみたいと思います。

何はともあれ、まずはつくしを調達してきましょう。

つくしの採り方

ちなみにつくしの採り方ですが、つくしの根元を指でつまんで、真上に引っ張るようにして採りましょう。
ちゃんと根元を持たないと茎の途中で切れちゃいますし、横に倒しても中々キレイに「ポキッ」とは折れてくれません。
真上に引っ張って採れば、土も付かないのでおすすめです。

というわけで、今回の収穫はこんな感じ。

つくしの採り方

まだまだたくさん生えていましたが、今回は私一人分ですのでこんなもんで充分でしょう。
繰り返しになりますが、たくさん採れるからといって大量摂取や長期摂取は絶対にしないで下さい。

緑色のつくしと茶色いつくしの違い

さて、料理に行く前にもう一つ。
こちらの画像をご覧ください。

緑と茶色のつくしの画像

穂先が締まっていて緑色のつくしと、穂先が開いて茶色いつくしの、2種類があるのがわかるでしょうか?

実は、左の穂先が締まっている緑色の方は、まだ中に「つくしの胞子」があるんです。
穂先が開いて中の胞子を撒き終わると、右のつくしのようになります。

つまり、この緑の色はつくしの胞子の色なんですね。
ちょうど穂先が開き始めて、胞子を撒いている最中の固体があったので、アップで見てみましょう。

つくしの胞子の画像

まだ胞子が残っている緑色の部分と、胞子が落ちて空になった部分がありますね。
まわりを見ると緑色の粉、つまり胞子が落ちているのがわかります。
(カビじゃないですよ。)

実は、ネットでつくし料理を調べてみると、「穂先の締まった緑のつくしの方がおいしい・おすすめ」という意見が多かったんです。
そこで今回は穂先の締まったものと、開いたものの両方を採ってきて、食べ比べてみたいと思います。

つくしのはかま取り

次はつくしのはかまを取っていきましょう。
爪でペリペリ剥がすようにして、横に回すようにして取っていきます。
(これをやると、しばらく爪が黒くなりますが、そこは諦めましょう。)

こんな感じですね。

はかまを取ったつくしの画像

全部、取り終えました。

つくしのはかま取りの画像

水洗いして汚れを落としたら、次はアク抜きです。

つくしのアク抜き

前述の通り、つくしには「チアミナーゼ」という成分が含まれているので、調理する前には必ずアク抜きを行いましょう。
アク抜きも、ナスのように水にさらすだけではなく、沸騰したお湯でしっかり湯がいてアク抜きしましょう。

つくしのアク抜きの画像

お湯の色が茶色く変わってきたら、一旦アク抜きのお湯は捨てて水洗い。
そして、おひたしにするためにもう一度茹でて、ざるにあけて冷ましたら完成です!

茹でたつくしの画像

つくしのおひたし食べてみた

つくしのおひたしの画像

お皿に盛り付けて、撮影完了!
早速食べてみましょう。

今回はシンプルにお醤油をたらして頂きます。

穂先の開いたつくし

まずは穂先の開いている茶色い方のつくしから。

パクリッ・・・うん、お醤油の味しかしません(笑)
でも全くクセがなくて、まさにおひたしって感じで食べやすいです。

穂先が締まっている緑のつくし

次は穂先が締まっている緑のつくしを頂いてみましょう。

パクリッ・・・うん?
なんか口の中がすごく粉っぽくなりました。
穂先の中の胞子が出てきたようです。

そして肝心の味の方ですが、何というか漢方薬みたいな味がします(笑)
これがつくしの胞子の味なんでしょうね。
おいしいかと言われると正直微妙です。

ネットでは苦味があると書かれていたんですが、苦いというほどではありませんでした。

感想・まとめ

あくまで個人的な感想ですが、穂先が開いているつくしの方が、クセがなくて断然食べやすかったです。
胞子が入っている緑の方は、かなり上級者向けの味でした(上級者って何だ?)。

ただし、穂先が開いているものでも、先端が黒くなってきているものは、その部分が硬くなっていて食感が悪かったです。
ちょっと見本を見てみましょう。

穂先が開いたつくしの画像

どちらも穂先が開いていますが、右側のつくしは先端が黒ずんできているのがわかるでしょうか。
胞子を撒き終わったつくしは、このように穂先の方から硬くなってくるみたいですね。

つくしを採る際は、このような穂先の色にも注目してみるといいと思います。

というわけで今回は、つくしのおひたしを作って食べてみました。
皆さんの参考になれば幸いです。
それではまた~。

【追記】

ちなみにつくしを食べた翌日、そしてそれ以降も、特に体調に変化はありませんでした。
ちゃんとアク抜きできていたみたいですね。

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Posted by なおじ