田舎は仕事がないって言うから東京と長野県の求人件数を比較してみた

暮らし, 地方移住

「田舎は仕事がない」
田舎暮らしの失敗談では、こういった意見をよく耳にします。
はたしてこれって本当なのでしょうか?

今回はこの「田舎は仕事がない」という意見について、解説したいと思います。

東京都と長野県の求人件数を比較!

まずは、2019年3月13日時点の、東京都と長野県のハローワークに出ている求人件数を比較してみましょう。

東京と比べるとさすがに少なくはなりますが、思っていたよりも多くの求人が出ています。
特に、長野市や松本市などは、東京23区にも負けていません。

また長野県では、山あいの地域などで求人件数が1桁の地域も見受けられますね。
しかし、こういった地域であっても、自動車通勤も考慮して近隣の市町村も視野に入れてみると、どこかしら近くに求人件数の多い地域があるはずです。
田舎はバリバリの車社会なので、1つ2つ隣の市町村まで車で通勤なんてことは割りと普通です。

田舎は仕事がないと言われる理由

このように求人件数を見る限りでは、世間で言われているほど田舎は仕事がないわけではないようです。

ではなぜ、移住者さん達から「田舎は仕事がない」という意見が出てきてしまうのでしょうか?
その理由を考えてみました。

就きたい職種の求人が少ない

まず考えられるのが「就きたい職種の求人が少ない」というパターンです。
実は、田舎の求人ってかなり職種が絞られてしまうんです。

地域によって多少違いますが、田舎の求人で特に多い職種は工場勤務の製造業です。
大規模な工場施設は地価の安い地方に建てられるため、田舎では常に多くの工場勤務の募集が出ています。

また、少子高齢化が進む田舎では介護の人手も不足しているため、介護士やヘルパーなどの福祉関係の求人も非常に多いです。

その結果、田舎の求人は工場勤務や介護福祉職の募集が多くを占め、職種が絞られてしまう傾向にあります。
このため、資格や経験を生かせる職種の求人が見つからず、「田舎は仕事がない」という意見が出てしまっているようです。

希望の条件に合う仕事が少ない

2つ目に考えられるのが、「希望の条件に合う仕事が少ない」というパターンです。

都会と比べると、どうしても田舎は経済の規模が小さくなってしまうので、同じ仕事であっても給料は下がる場合が多いです。
その結果、希望の条件に合う仕事が見つからないため、「田舎は仕事がない」という意見が出てしまっているようです。

田舎での働き方に対する理想が高すぎる

3つ目として、「田舎での働き方に対する理想が高すぎる」というパターンが考えられます。

最近ではネットや雑誌で、田舎暮らしのインタビュー記事などを目にする機会が非常に多くなりました。
そういった記事では、「田舎に移住して観光ガイドを始めた」とか、「古民家を改装してカフェをオープンした」といった、素敵な成功例が数多く紹介されています。

このような成功例に憧れて田舎暮らしを始める人は、田舎での働き方に対する理想が高くなり過ぎてしまいがちです。
その結果、理想に見合うような仕事が見つけられず、「田舎は仕事がない」という意見が出てしまっているようです。

まとめ

そもそも「田舎は仕事がない」という意見が出るのは、よくよく考えてみるとおかしな話です。
だってそれってつまり、「次の仕事を決めずに田舎に移住してしまっている」わけですよね。
そもそもが準備不足なわけです。
(「急に田舎の両親の介護をすることになった」といった、やむを得ない事情であれば、それは仕方ありませんが)

そんな行き当たりばったりで始めた田舎暮らしが失敗に終わったとしても、それは当然の結果です。
「田舎は仕事がない」と言っているような人は、もともと田舎暮らしには向いていなかったといえるでしょう。

事前の準備を怠る人は、何をやってもうまく行かないものです。
そういう人は、移住や転職といった生活の大きな変化は、求めない方が良いでしょう。

というわけで今回は、「田舎は仕事がない」という意見について解説させて頂きました。
それではまた~♪